人々の闘い
契約社員の解雇を軽く考える企業

不動産業契約社員平田幹士(40歳)

■当然のように解雇を告げる
マンションの販売や仲介をする会社で仕事をしていました。雇用契約はゼネコン大手の子会社と結んでおり、さらに孫会社へ出向という形態です。「五月二五日に会社に来るように」と呼び出しの連絡があったのは、前日の二四日のことでした。なんの事で呼ばれたのか分からないまま会社へ出向くと、解雇通知の場には孫会社の営業部長、人事担当者と、子会社の部長、人事担当の四人がおり、そこで告げられたことは「六月末で解雇です」でした。何のことかわからず、その場は会社の話を聞くだけで引き下がったが、改めて考えてみるとどうしても了承できず、納得するまで会社と交渉をもつことにした。
私「今年度の契約は四月一日付で更新したばかりで、来年三月末まで契約期間があるじゃないですか。解雇は口頭だけなのはおかしい。文書で」
会社が退職願を書いてもらうことになると思います」
私「こちらから言ってないのに書けない!」
会社「それでは契約解除の承諾書にハンコを押して下さい」
こんなことが何回か続き、納得できないので、以前新聞に載っていた〝管理職ユニオン・関西″ に相談し、先ず文書で解雇理由を明らかにさせるようにとアドバイスを受け、その旨の内容証明を送付しました。するとその二日後に、子会社の部長と孫会社の人事担当者が、「内容証明が送られてきてビックリした」と言って,私の仕事場である営業店に飛んできました。
私以外の契約社員は、なんの話し合いもせず渋々了承したというのが実状で、会社側はすんなりと辞職するだろうと軽く考えていたと思います。会社側は話し合いで解決し、争議はしたくないようで、ただ解雇は撤回できない、解決金を出すということでした。私としてもこのまま会社に残っても先行きが不透明なので、退職の方向で交渉していこうと思っていました。
 
■会社側のメンツもたてる
団交は計三回行い、解決金で決着しました。交渉については、自分の意見だけでなく、会社側の話もよく聞き、一度会社側に立って自分を見てみる、会社側(特に交渉担当者)のメンツも立ててやるということも大事なことを痛感しました。要求は、ユニオンに初めて来た時の半分位の結果であればよしとしなければならないと思います。会社側は当初慰労金として一ケ月分であったのが、その数倍の額を出しました。私としては会社の間違ったやり方を認めさせた結果の額だと思っております。今は晴れ晴れとした気持ちでいっぱいです。

 
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