人々の闘い
給与不払いを話し合いで解決

電子部品製造販売会社勤務吉松保(49歳)

■給与不払い
従業員一五人ほどの電子部品製造会社に一〇年間働いてきました。一九九六年の五月より給料が一部しか支払われなくなりました。九七年の夏で、私の給料の不払い分が累計額二〇〇万円になりました。全社員の不払い賃金の総額は一〇〇〇万円以上です。わずかの預貯金も家計の赤字補填に減っていきます。会社では従業員の間に協調性が薄れ、投げやりな態度が、役職者を中心に蔓延してきました。
会社は「売り上げが伸びないから、利益が出ない、税金、電気代、仕入れ費用も滞納しているぐらいで、給料を一〇〇%出せない」の一点張りで、経営責任を部下に押しっける始末でした。それでもなんとか、会社を盛り上げていこうと今年の八月まで働いてきましたが、ついに「頑張りの糸」が切れてしまって、出社できなくなりました。それで給与不払いを労働基準局に話しても「会社が、従業員からお金を借りていると言われたらどうしますか?」と意地悪な発言をするばかりで、匿名の相談では動いてくれません。
 
■退職してからの組合加入
ある組合の事務局では「組合を作って交渉するのがよいのです」とアドバイスをもらっても従業員が皆バラバラにさせられている職場では動きようがありませんでした。そのうち会社から無断欠勤の件につき話し合いをするよう通知が来ましたが、精神的に参ってしまい、対応できませんでした。
その時、書店で『たたかう会社員』(自由国民社九六年刊)を読み勇気づけられ、またその考え方の柔軟性に驚いて、関西でのユニオンに相談しようと探し始めました。管理職ユニオン・関西があると聞き、即日組合に入りました。
会社に団交を申し込み、退職金と退社条件について話し合いました。当初、会社側は無断欠勤で退職金も払わないと言っておりましたが、引き継ぎを円滑にすることを条件に、欠勤中の給与の支払い、退職金の支払い、不払い賃金二一七万円の分割(五回)支払いを約束させました。
すでに退職通知を会社に出してから組合に入っての交渉ですが、一人では、会社に言いくるめられて、ずるずると支払いを遅らされて、最後には未払いといった事態も予想されたと思います。
一人ではやれないことが、仲間で集まって考えて、行動できることが、うれしかったです。今、職場で問題を抱えている方は、一人で考え込まないで、ユニオンに相談されることをお薦めします。わたくLも元職場の仲間と連絡をとりあって、不払い賃金の解消に取り組んでいきたいと考えています。

 
私たちは、あらゆる不公正・いわれ無き格差と戦います。