人々の闘い
休職中に電話での解雇通知

菓子・食品製造販売会社勤務若狭信高(51歳)
 
■電話での解雇通知
一昨年五月二一日、会社から電話にて突然解雇の連絡が総務部長からありました。私は丁度その頃、三月に日曜大工で庭の木の刈り込み中、梯子から落ち足を骨折したため入院し、その後自宅でリハビリの最中でした。大阪出張所の所長として、会社の関西進出のため、出張所を開設し、二年が過ぎ、新しい顧客も開拓でき、半年前には所員を一名増員しこれからという時期のことです。
 
■理不尽な解雇理由
四月一日の会社の営業方針として、組織表にも私の名が所長としてあり、その辞令ももらっていましたので、不審に思い総務部長にたずねると、「大阪出張所の売上が悪い、製品の見本を使いすぎだ。返品率が他の出張所と比べて高い」という理由の他に、一年前に営業車を事故で廃車にしたなどと、売上のことだけでは解雇するに不十分と考えた会社が、その不足を補おうとして言ってきた理不尽な理由でした。
私は当然会社側に対し、詳細な反論書を送りました。しかしながら、毎日のように部長から電話があり、電話口で大きな声での退職強要が日増しに過激になり、「会社は君を必要としない。必要としない会社にまだおるつもりか.。頭の中は腐っているのとちがうか。馬鹿じゃないのか。君の神経が分からない。君はおかしい」などと、聞くに耐えない言葉をまくし立て、何がなんでも私を会社から追い出そうとする勢いでした。
このような状態のまま、日時を重ねていては心身とも疲れ果ててしまうと、痛感した私は、六月に至り以前新聞で読んだ管理職ユニオン・関西の記事を思い出しました。管理職ユニオンのことは、東京で始めてできたことが、確か数年前の新聞記事で載っていたことで、おぼろげに覚えていましたが、その時はまさか自分がこんな目に遭うとは予想もしていませんでした。すぐに、管理職ユニオン・関西に連絡すると『脱会社人』というガイドブックを送っていただき、内容を読んでいく内に、私は絶対に会社の理不尽な解雇強要には屈しない信念が心から湧き出てきました。早速入会の手続きも行い、書記長や執行委員の方とも会い、種々なアドバイスを受けました。
 
■大阪地裁へ仮処分を求める
会社の本社は栃木県にあり、また私は骨折した足をリハビリ中でもあり、歩くのに少し不自由でしたので、団体交渉もできるとも聞いていましたが、弁護士の勧めもあり、大阪地裁へ地位保全・給料の支払いを求める仮処分を行いました。
会社側も顧問弁護士をたて争う姿勢を見せましたので、私は管理職ユニオン・関西のアドバイスもあり、陳述書の作成は弁護士にまかせきりでなく、何度も自分で作成し、打ち合わせも何回となく行い、会社の答弁書に対し、その理不尽な点を再度陳述書で反論しました。
会社側はその過程で、当初の就業規則違反の主張から、勝ち目がないと思ったのか、次に整理解雇を予備的に主張してきましたが、『脱会社人間』にも記載されている四つの条件に関して、何ら具体的なものもなく、二一月一五日の仮処分の決定は私の全面勝利になりました。
 
■組合からの励まし
この間、私は肉体的にも精神的にも本当に厳しい時期でしたが、管理職ユニオン・関西に顔を出し、組合員の皆と親しく会話ができたことは、こころの励ましとなりました。
特に、裁判ともなれば、どうしてもその過程で不安感や、肉体・精神共極度の緊張を強いられるのが私達の常ですが、そんな時に本当に役立ったのは、管理職ユニオン・関西には私と同じような仲間がいるのだ、自分一人だけではないのだという、一種の連帯感ではなかったかと思っています。人間一人では本当に弱いものです。人間一人では行動もしれています。同じ志を持つ人間のつながり、そしてこれらの活動を一層の人々に知ってもらい、参画してもらうことが、今後益々大事になっていくのではないでしょうか。
 
整理解雇の四要件
     (管理職ユニオン・関西のガイドブック『脱会社人間』より抜粋)
 
①高度の経営危機
 -「整理解雇」をしなければならない経営上の真の必要性があること。
 
②解雇回避努力
 - 「解雇」を避けるための努力を十分尽くしたかどうか。
 
③人選の合理性
 -客観的、合理的な基準を設け、公正に適用していること。
 
④協議義務
 -会社が労働者、労働組合と再建策について、十分協議を尽くしたかどうか。

 
私たちは、あらゆる不公正・いわれ無き格差と戦います。